がんは死に近い病気という意味でとても重い病気である。
当然闘病には家族、本人ともに精神力が必要と思う。
がんの種類によって(特に進行がんの場合)は、進行が早く、どう過ごすかが緻密になるものもあると思うが、幸い婦人科のがんの場合はあまり進行が早いものはあまりないようだった。
むしろ腰を落ち着けてじっくり治療と取り組む冷静さが求められたように思う。
家族も考え出すときりがなく深みにはまる人もいるかもしれないが、まずはおちついてと言いたい。あまり先を考えすぎず、目の前のことを一歩一歩淡々とこなしていくことに目を向けるほうが、落ち着いて過ごせると思う。
私の場合、当時小学2年生の子供が一人いた。私が入院したら夫と子供二人で暮らさねばならない。小学校へ通う都合上、どこかへ預けるわけにいかない。また両方の両親も地理的、健康上の理由で通ってもらうことはできなかった。
私達は夫を中心に、週三回ヘルパーさんを頼んで夕食と夜の留守番をお願いすることにした。そうすれば週三回は夫が残業できる。1ヶ月はがまんできても、半年はあまりに夫の負担が大きいということで、決心した。
ヘルパーさんは、近所のシルバー人材センターへこちらの条件を提示して、探してもらった。なるべく近所の方がいいとお願いしたところ、徒歩で通える60才くらいの女性が見つかった。私の入院期間ずっとその方にお願いできたのは、幸いである。
ヘルパーさんがいるとはいえ、日常の家事、育児は夫の肩にずっしりとのしかかった。
私達は結婚してから共働きだったので、彼も家事は一通りこなすことはできた。
しかし今度は毎日である。とにかく代わってやってくれる人がいないので、なんとかこなしてくれた。当然平日の御見舞いはほとんどできないが、夫の負担を思うと感謝以外のなにものでもない。同じ部屋の人にも「ご主人偉いわね~。」と何度も言われた。私もそう思う。
こんな状況になって、残念ながら一人だけど娘を産んでおいてよかったな、と思う。私達夫婦にはもう子供を授かることができない。夫は娘がいるために家事や用事が増えると思うが、誰もいなかったらそれも辛かったのではないだろうか。小さな娘であるが、一緒にママの不在をのりきる同士になってがんばっていたのだろうと思う。心から感謝している。ありがとうね。
